某飲料メーカー様 生産技術史(小説+マンガ)
工場スタッフのロイヤルティ向上つながるコンテンツを、短期間で制作

当社(というか、コンストラクティブ・コピーライターである代表の五十畑)が近年力を注いでいる「マンガ社史」関連の案件をご紹介します。…といっても、純然たるマンガコンテンツではありません。スケジュール短縮を実現するために「小説+マンガ」というスタイルにした事例です。この手法によって、当社もクライアント様も、新たな社史表現を確立。クライアント様は、ステークホルダーに対する期待以上の効果を得ることができたようです。当社も非常にうれしく思っています。
※本記事のイラストはすべて、実際のコンテンツで使ったものではありません。イメージを伝えるために画像生成AIを使用しています。
マンガブランド史の効果を、工場スタッフに!
クライアントは、某大手飲料メーカー様((公表OKではありますし、コンテンツが公開されているサイトにアクセスすれば当社のクレジットはあるのですが、念のため伏せさせていただきます)。クリアで爽やかな味わいが魅力の国民的炭酸飲料ブランドや、ストレート飲用を日本に根付かせたスタイリッシュな炭酸水ブランド、斬新な視点から「●専用」を開発して大ヒットとなったあの缶コーヒーブランド、そしてやはり国民的な乳酸菌飲料ブランドなどを擁する、あの企業です。当社は、100年以上の歴史をもつ2つのブランドの歴史をマンガ化する際に、原作を担当。ありがたいことに高い評価をいただくことができました。
この飲料メーカー様より「新たな歴史コンテンツをつくりたい」というご要望をいただきました。その内容は、以下の通りです。
■オリエン内容
●ターゲット:クライアント様の工場にて生産業務に従事する社員(工場スタッフ)、工場スタッフとしての入社検討者
●目的:工場スタッフのロイヤルティ向上、入社検討者の好感・入社意向の喚起
●内容:国内にある7カ所の工場の歴史から、特に技術的価値が大きかった出来事をピックアップし、マンガコンテンツ化する
●公開方法:WebサイトでのPDF公開、印刷物(A4、12ページ)
●公開予定日:オリエンから4カ月後
問題は「スケジュール」
「工場」にフォーカスしたマンガ社史コンテンツというのは、これまでほとんど見たことがありません。このアイデアは面白いし、うまくつくればクライアント様に大きく貢献できる! と思いましたが、最初にクリアすべき大きな問題がありました。
スケジュールです。
週刊マンガ誌が存在していることから、マンガはかなり早いスピードで制作できると思われがちですが、実際には週刊連載するにあたっては長い準備期間が必要。また、複数のアシスタントによる協業体制を確立させるなど、体制面の整備も欠かせません。マンガ社史の場合は、企画のスタートから実際に作画を開始するまでに、(コンテンツの長さにもよりますが)数カ月を擁するのが普通。4カ月後では、原作シナリオの作成までしかできません。
…そう、シナリオ作成までなら、できるのです! それならば、シナリオをメインにすればいい。いや、それはもはや、シナリオではありません。普通の読み物です。小説のようなものですね。これをベースにしつつ、山場となるシーンだけマンガにすることで親近感を高め、読みはじめる際のハードルを下げればいい。マンガを描くスケジュールは大幅に短縮化できる。そう考えました。つまり…
小説(のような物語性のある読み物)をベースに、挿絵をコマ割のあるマンガにしたコンテンツ
この方向で作成することになりました。
ちなみに、当社からは他に「4コママンガ+解説文」という形式も提案したのですが、やはり起承転結が明確な「物語」が持つ力は捨てがたいとのことでした。素晴らしい判断だと思います。
3工場・3エピソードを小説+マンガ化
実制作は、以下の流れで進みました。
①コンテンツ企画
クライアント様が、長い工場生産の歴史の中から、取り上げたいエピソードを3つピックアップしました。いずれも異なる工場のエピソードです。いずれも、1990年代以降の比較的新しいものでした。そこで、まずは、各エピソードに関連する資料を収集することに。既存の社史から該当する情報をピックアップするだけでなく、当時に作成された技術資料なども集めました。また、クライアント様は当時のことをよく知る社員へのインタビューを実施。社外秘の情報が話題になる可能性があったため当社は参加できませんでしたが、問題のない部分を録画していただき、そのデータを共有させていただきました(結局、当社にも公開できないレベルの社外秘情報は動画内には出てきませんでした)。
当社は、これらの資料を徹底的に読み込み、不明な技術などについては独自に調査を行い、理解を深めました。
②小説部分の作成・執筆
マンガ社史の場合は、企画が固まったらあらすじをまとめた「プロット」を作成するのですが、今回はスケジュールが短く、フルで作画する必要がないため、省略することに。いきなり小説部分を執筆しました。
文字量は約4000〜5000文字。丁寧な描写をしていたらあっという間に埋まってしまうので、ストーリーを展開することを優先しました。ただし、キャラクターの設定は重視。1エピソードあたり3〜5名程度の登場でしたが、それぞれがどんな性格で、どんな役割を果たすのかをしっかり明確にしました。また、実際の出来事の流れを変えない程度の演出は行いました。
原稿は、数回にわたりチェックをしていただきました。チェックには、クライアント様の広報ご担当者だけでなく、各エピソードのキーマンとなっていた方にも依頼。技術的に正しいか、誤解はないか、演出しすぎていないか、不快感を与えないか…などを綿密にチェックしていただきました。
③マンガ作成
ストーリーが固まった段階で、どのシーンをマンガ化するかを選定。マンガは1エピソードあたり、見せ場となる大スペース、誌面にアクセントをつけるための小スペースの2カ所分を作成しました。
●大スペース…左右幅はページの最大限。天地は全体の1/4程度。3〜4つのコマで構成。
●小スペース…ページフォーマット(文字横組み・2段組)の1段分の左右最大幅で、4:3くらいの比率で作成。1コマで構成。
マンガは以下の流れで作成しました。各段階で、ご担当者などにチェックをお願いしています。
❶キャラクターデザイン → ❷モノクロ下書き → ❸カラー彩色 → ❹デザイン反映
④デザイン
イラストと並行して、ページデザインも進行。小説的な内容ではありますが、読みやすさを考慮して文字は横組みにしました。
タイトル部分は各エピソードでデザインフォーマットを統一。工場内の写真などもできる限り掲載しました。
社内の評判は上々!

役員チェックなども完了し、無事にスケジュール通り完成。工場スタッフなどにイベントで配布しやすくするために、表紙イラストを使ったクリアフォルダーも作成しました。評判はよく、工場スタッフからは「過去の苦労にすごく共感できた」「こんな苦労を乗り越えて高い技術を確立させたこの工場の一員であることに誇りを感じた」といった、好意的なコメントが多数寄せられました。作者としてもうれしい限りです!
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